好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

凛太郎を連れて家に帰る。



家には今日仕事が休みな父さんがいた。



凛太郎を見てびっくりしてる。



「どこの子…?」

「凛太郎。仲良くなったの。ね?」



俺が凛太郎に言うと嬉しそうに笑ってうなずいた。



俺の部屋に案内すると、入るなり、わっと声を上げた。



最近描いた海の風景画を壁にかけてある。



冬の寂しい海を表現した絵。



凛太郎はそれを見て、俺をキラキラした目で見た。



「風里くんってすごいね…!」



それからほかにもいろいろ見せてあげた。



凛太郎はずっと楽しそう。



その素直な感じが見てて小糸ちゃんを思わせて、より一層微笑ましく思った。



「うちでご飯食べてく?」

「いいの!?」

「うん、ちゃんとお家の人に電話しな」

「分かった!」



家の人に電話をする凛太郎に、念のため不審者につかまったと思われないように父さんにも話しをさせて、凛太郎にうちでご飯を食べさせた。



帰ってきた姉ちゃんと母さんも突然現れた謎の子供にびっくりしてたけど。



経緯を話したら歓迎してくれた。



凛太郎を家まで送り届ける。



インターホンを鳴らして、出てきたお母さんに挨拶した。



「遅くまでお子さんお預かりしちゃってすみません」

「いえ、わざわざ送ってくれて…ありがとうございます」

「あの、良ければこれからも凛太郎くんに絵を教えてもいいですか?」



俺がそう言うと、凛太郎が嬉しそうにぱっと俺を見た。



お母さんもなんだか嬉しそうで。



「良いんですか? うちの子、なんだか引きこもってばかりで…。そういう場所があったら張りが出てありがたいです」



というわけで、それからもたまに凛太郎と一緒に絵を描いたり、作品を作ったりしてた。