好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

~風里~

2月になって、俺たち3年生は自由登校になった。



美術館が近接してある大きい公園で風景画描きにいく俺。



しばらく描いてたら、近くに小学生の男の子が座って、同じように画材を出しはじめた。



小学5年生か6年生くらいかな?



今日は平日。



学校はお休みなのかな…?



気にせず自分の絵に集中していた。



しばらくして休憩しようと立ち上がったら、その子も結構良い感じに描き上げてて。



「上手いね」



なんとなく声をかけた。



その子は驚いたように俺を見てて。



でも心なしか嬉しそう。



「お兄さんもすごく上手いね」

「ありがとう」



俺は微笑んだ。



それから2人しばらく描き続けて。



「できた! そっちはどう?」

「なんか雲が難しい…」

「そんな上手く描こうとしなくてもさ、自分の感性信じて描いてみたら?」

「うーん…」



俺の言葉に、自信なさそうに色を塗り重ねていくその子。



「ほら、すごい雰囲気ある良い絵になったじゃん」

「ほんとだ!」



嬉しそう。



素直で可愛いな。