好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

そして、親族の集合写真。



風里先輩側の親族の皆さんとは、何回か旅行をご一緒させてもらってるので会ったことがある。



でも、あたし側の親族って、風里先輩はほとんど会ったことないから…。



結婚式には、市川さんも呼んだし、お父さんも呼んだ。



2人ともに出席してもらいたかったから…。



相談したら、2人とも喜んで来てくれることになった。



お父さんと風里先輩は、結婚の挨拶以来だから、今日で会うのが二度目。



お互いなんとなく緊張しているようにも見える。



それもなんだか微笑ましい。



両家の親族同士が楽しそうに話をしているのを見るのもなんだか嬉しかった。



「2人の出会いは、高校時代。新婦の小糸さんが新郎の風里さんに猛アプローチをかけて2人は結ばれることになったそうです。風里さんが難関美大の受験生だったときは寂しさもあったそうですが、お互いを思いやって乗り越えました」



司会の人から紹介されるあたしたちのなれそめはなんだか照れくさい。



風里先輩とは本当に色んなことがあった。



色んな経験をさせてくれた。



愛…だなあ…。



「では、お二人によるケーキ入刀です!」



2人で一つの包丁を持ってケーキを切る。



それからお互いケーキを食べさせ合うファーストバイトでは、風里先輩がわざと食べきれない量をあたしの口に突っ込んだ。



普通新婦にそんなことする!?



先輩が笑いながらあたしの口元についたケーキを指ですくってそれを食べた。



真っ赤になるあたしの顔と、盛り上がる会場。



も~~恥ずかしい!



最後に、今日一日を撮影した様子がムービーになって会場に流れた。



あたしはなんだか幸せで、今まで泣かなかったのに、まさかのそのタイミングで涙を流して。



それに気が付いた風里先輩が微笑みながらあたしの涙をそっと指で拭ってくれた。



みんなに見送られて会場を出て。



なんて幸せな式だったんだろう…。