好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

まずは、風里先輩があたしの指に指輪をそっとはめた。



それから、あたしも風里先輩の指にはめる。



そして、先輩があたしのベールを上げた。



誓いのキス…。



不思議と恥ずかしいなんてそんなこと思わなくて。



なんだか厳かな気持ち。



風里先輩のことを、これから精一杯愛そうという、まさしく誓いのような気持ちだった。



それから、式場の一番奥に繋がっている庭にあたしたちは退場した。



みんなには姿は見えてるけど声は聞こえない位置。



あたしたちは見つめ合った。



「やっぱ小糸ちゃん、死ぬほど可愛いね、ウェディングドレス」

「先輩こそ超似合ってます…」

「可愛いし綺麗だし、最強だね、小糸ちゃんは」

「一応エステとかめっちゃ通ったから…」

「いやいや、地の可愛さでしょ」



恥ずかしいからパンチしようと思ったけど、みんなに見られてるのを思い出して思いとどまった。



「小糸ちゃん…愛してるよ」

「あたしも!」



そう言って2人でぎゅっと抱き合った。



客席から拍手されてるのが伝わる。



そして挙式会場はカーテンが下ろされ、あたしたちの姿は見えなくなった。



それからあたしたちはしばし撮影。



「ちょっと新郎さん、新婦さんのことお姫さま抱っこしてみましょうか」

「おっけーでーす」



その言葉に、ふわっと持ち上げられるからだ。



あたしはびっくりして先輩の肩につかまる。



「重いのに~…」

「軽いよ」



それから先輩にチューされて、その写真も撮られた。



これ…あとで披露宴で流れるんですよね…。



まあいっか…。