好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

小糸ちゃんを誘ってホテルの敷地内の庭園を散歩する。



冬の寒さが残る3月の気温。



小糸ちゃんとくっついて歩いた。



「先輩は素敵なものなんでもくれますね」

「そう?」

「はい。あたし幸せ…」



そう言って小糸ちゃんが歩きながら俺の腕に頭を乗せた。



こんなかわいい存在、俺にはもったいないよ。



だけど俺のものにしたい。



欲張ってもいいかな?



しばらく歩いて酔いも醒めたので部屋に戻ることにした。



いよいよだ…。



俺の緊張は今までにないくらい。



部屋に入ると、一面に広がる夜景と広いフロア。



「すごーい!」



小糸ちゃんは嬉しそうだ。



「お風呂透け透け…」



お風呂をいったん見て、見なかったことにしたらしい小糸ちゃんは、大きな窓の手前にある小さなテーブルの上にあるキャンドルと、薔薇の花束を見つけて固まった。



「小糸ちゃん」



俺は、小糸ちゃんの手を引いて窓の方に行った。



それから、薔薇の花束を持って小糸ちゃんにひざまずいた。



小糸ちゃんはびっくりした顔。



俺はそんな小糸ちゃんがかわいくて思わず微笑む。