好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

~小糸~

目が覚めると先輩の寝顔が目の前にある幸せ。



贅沢だなあ…。



思わず先輩の唇にキスすると、先輩がゆっくりと目を開けた。



「ん…今チューしてくれたの…?」

「内緒です」



あたしが言うと、ふふと笑ってまた眠った。



かわいいなあ…。



先輩の寝顔を見てるだけで飽きない。



しばらく先輩の顔を見ているうちに、あたしも気が付いたらまた眠っていた。



それから起きたのは「やばい!」という先輩の焦った声で。



「チェックアウトまでもう30分しかない! 寝すぎた!」

「うそっ!」



バタバタと2人で準備した。



洗面台で、あたしはメイク、先輩は髭剃り。



髭なんて生えてないように見えるのにね…。



新鮮なその姿をじっと見てたら、「手止まってるよ」と言われた。



はいはい…。



それからなんとか時間までに準備を終わらせ、バタバタと宿をあとにした。



昨日から時間に関して失敗しすぎなあたしたち…。



まあこれも旅の醍醐味なのかな?



楽しかった旅行はそれで終了した。