好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

「小糸ちゃん、今日は日本史進めようか」

「はい!」



いつも通り放課後に先輩に勉強を教えてもらう毎日。



先輩の分かりやすい授業を受けながら、やっぱり気持ちはそこから少し逸れる。



今日は綾乃さんとは会ってない?



あれから綾乃さんとどうなったの?



なんて聞けない…。



膿…。



これは間違いなく膿。



先輩のことを簡単に信用できなくなってる。



「…なの、分かる?」

「…」

「小糸ちゃん?」

「…はっ」



うっかり聞きそびれた…。



「すみません…もう1回いいですか…?」



あたしが言うと、先輩は不安そうな顔であたしを見た。



それからあたしに向かい合わせになる。



「小糸ちゃん」

「はい…」

「俺に思ってること、腹に据えかねてること、まだまだあるでしょ」

「…」

「全部聞くから…全部出して?」



優しくそう言う先輩に、思わず涙があふれ出た。



あたし…我慢してた…。



それからあたしの感情は止まらなくて。