好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

あっちもこっちも不安なことばっかりだ…。



やっぱ恋愛って難しい…。



だけど…。



次の日、結くんから着信があった。



久しぶりの結くんとの電話。



昨日のこと…?



あたしは慌てて電話に出た。



「もしもし…」

≪小糸。昨日は…ありがとな≫

「いや、全然…」

≪亜子さんと…付き合うことになった≫

「ほんと!」



あたしは思わず大きな声を出す。



≪ああ…。小糸には迷惑かけた、ごめん。でもありがとな≫

「そんなことないよ…。付き合えて良かった」

≪正直…まだ小糸のこと忘れられない。でも、それでも忘れるように努力する。これからは、亜子さんのことだけ見るようにするから≫

「…」

≪それだけ直接言いたかった。突然電話してごめんな?≫



結くんがあたしに直接言ってくれるのは、きっと結くんなりのけじめ。



きっともう、結くんから連絡が来ることはないんだと思う。



あるとしても、それは完全にあたしのことを忘れたときで。



あたしはそんな日が早く来ればいいと願った。



電話を切ると、亜子さんからも通知が来ていた。



『結人と付き合うことになった! 鶴巻ちゃんには本当に迷惑かけてごめんね…。ありがとう! 課題もまだまだあるけど…早く結人が鶴巻ちゃんのこと忘れるように、あたし頑張るよ!』



亜子さん…。



多分亜子さんにとってあたしってかなり厄介な存在だよね…。



これからも亜子さんの苦しみはもしかしたら続いちゃうのかもしれない。



だけどきっと、そんな日もすぐ終わるはず。



2人の幸せを心から願った。