好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

~小糸~

風里先輩の大学に元カノが…。



いや、いないかもしれないけど…。



ん~、不安だよ~…。



先輩があたしのことを一番に想ってくれてるのも分かってる。



でも、美大にいてもおかしくないってことは、風里先輩との間に共通の“美術”があるってことで…。



風里先輩に釣り合わないんじゃないかって思いがたまに芽生えるから。



その人はあたしより年もずっと上で、先輩との共通点もあるなんて思ったら不安でたまらなくなっちゃうよ…。



今日はバイト。



受験生になったのでシフトを大幅に減らしたあたしは、亜子さんと久しぶりに同じシフト。



亜子さんもなんとなく雰囲気が暗くて、今日はじめじめとした空気の花屋です…。



「鶴巻ちゃん~、彼氏と最近どう?」



亜子さんがあたしに聞いてきた。



「うーん、仲は良いですけど…。先輩の大学に元カノがいるかもしれなくて…」

「元カノぉ~?」



あたしは亜子さんに風里先輩の元カノの話をした。



「なるほどね…。嫌だね~…」

「本当に…」

「恋愛、思い通りにいかないねえ…」



そう言ってため息をつく亜子さん。



そういう亜子さんは何かあったんでしょうか…。



ちょっと聞いてみようかな…。



「あの…亜子さん?」

「ん~?」

「あたし…この前亜子さんと結くんが手つないでるの見ちゃったんですけど…2人って付き合ってたり…」



あたしが恐る恐るそう言うと、亜子さんが固まった。



それから、レジ台に「あ~…」と頭を付けた。