~風里~

卒業式から数日。



大学入学までだいぶ間があるので暇な毎日。



やっぱり作品作りをして毎日過ごしてる。



「はーい掃除するよ~」



そう言って部屋に入ってくる母さん。



俺が作業してる机の上を見て、「風里のその才能は誰に似たのよ本当に」と言った。



それから、机の上に置いてある写真に目を動かす。



「あんたは本当に小糸ちゃん好きだね~」



卒業式のときの写真。



小糸ちゃんが俺を見つめてる1ショット。



その小糸ちゃんがあまりにも可愛くて印刷して机の上に飾っちゃった。



「だって小糸ちゃん可愛いじゃん」



この会話を小糸ちゃんに聞かれたら恥ずかしがりながら怒られそうだ…。



『お母さんの前で恥ずかしいこと言わないでください!』って…。



怒ってるのも可愛いんだけどね。



母さんは「幸せそうで良いね~」と言いながら俺の部屋を軽く掃除して出て行った。



俺は母さんが出て行くのを見てから家を出る用意。



今日は小糸ちゃんと穂高と明莉ちゃんとカラオケに行く約束をしてる。



小糸ちゃんと明莉ちゃんが「たまには4人で遊びたいよね」って話したらしくそうなった。



カラオケ行くなら俺は小糸ちゃんと2人きりがいいんですけど…。



閉鎖された空間でイチャつき放題…?



なーんてね…。



また小糸ちゃんに怒られそうだ…。



着いたカラオケでは、穂高と明莉ちゃんが楽しそうにデュエットしてる。



お姫様と王子様が一緒に歌うミュージカルアニメのやつ…。



いつも通り仲の良い2人。



2人が歌い終わって、小糸ちゃんがマイクを持った。



小糸ちゃんの歌は気になる!



俺がスマホの動画を構えると、「やめてください」と言われてしまった。



はーい…。