好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

「任せてください」

「うん、よろしく」



わ~い、第二ボタンだ~!



喜んでるあたしに先輩は笑顔を向ける。



「2人で写真撮ってもらおう」

「はい!」



先輩はその辺にいる1年生の女の子にスマホを渡した。



「美男美女でめっちゃ撮り甲斐ありますね…」



スマホを渡されたその子は緊張気味。



「じゃあ…撮りますね~」



あたしは思わず先輩のことを見上げる。



こんな素敵な人があたしの彼氏で、何人からも告白されちゃうようなモテる人。



写真を撮ってくれてる子も先輩の素敵さに気後れしてるみたい。



風里先輩があたしの彼氏なんて、やっぱり改めて奇跡みたいなことで。



憧れでしかなかった先輩が、今こうやって隣にいてくれる…。



先輩があたしの視線に気が付いて、「ん?」とあたしのことを見た。



それからにこっと笑顔を向けてくれる。



なんだか恥ずかしくなって顔を正面に戻した。



それから何枚か撮ってくれて、あとで写真を確認したら、見事にあたしが先輩のことを一方的に見つめてる姿と、見つめ返す先輩の姿まで収められてた。



恥ずかし…。



最後に明莉と穂高先輩と4人でも撮ってもらって帰ることになった。



先輩たちは今からクラスで打ち上げみたいなものがあるらしく…。



「じゃあ…先輩…気を付けてね…」

「も~、まだ泣き足りないの~? 明日も会うじゃん」

「そうですけど…」



先輩があたしの目線に合わせてあたしの頭を撫でてくれる。



その大きい手にもう毎朝触れられないと思ったら…。



ひたすら泣くあたしに、先輩は呆れたように笑ってた。