好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

卒業式が終わって、校舎の外では3年生たちが写真を撮ったり、お世話になった後輩が3年生に挨拶したり…。



風里先輩どこ…?



あたしはきょろきょろと見渡すけど、先輩の姿は見当たらない。



明莉は穂高先輩を早々に見つけてそっち行っちゃったし。



校舎の外で立ち尽くしてたら、後ろから誰かに目を隠された。



「だーれだ」

「わっ」



風里先輩だ!



振り返って見上げると、笑顔の風里先輩。



「どこ行ってたんですかぁ~…」

「ごめんね? なんかねえ、何人かから告白されてた?」

「告白…」



そうか…。



最後だもんね…。



「ちなみに内訳は…」

「ん~、同じクラス2、別のクラス1、後輩1」

「4人も…。モテモテじゃないですか…」

「ね~、小糸ちゃんがいるの知ってるのにね」



あたしはその人たちに舐められてるんでしょうか…。



「それでね、小糸ちゃんにこれ守ってもらおうと思って」

「なんですか?」



あたしがキョトンとした顔を向けたら、先輩がおもむろに自分の制服の第二ボタンを外しはじめた。



それをあたしに手渡す…。



「なんか盗られそうになったから。これ、小糸ちゃんが守っといて」



先輩の第二ボタン…。



こんなのもらえると思ってなかった!



いざもらえると思うと嬉しくて。



あたしは笑顔。