好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

それから日は経ち…。



今日は3年生の卒業式…。



あたしは朝から泣きそう。



「先輩~…」

「あはは、なに泣いてるの」



いつもの待ち合わせの公園。



これも今日で最後…。



先輩があたしの頭をよしよしと撫でてくれる。



「別に俺が卒業しても会えなくなるわけじゃないんだから」

「でも~…」



先輩のいない学校をあと1年も通い続けなきゃいけないなんて寂しいよ!



「じゃあ、行こうか?」

「はい…。ゆっくり歩きましょ?」

「あはは、いいよ」



先輩と最後の登校…。



全部の景色が名残惜しそうに見える…。



「なんで先輩は逆にそんな平気そうなんですか…。最後の登校なのに寂しくないの?」

「寂しいけどそれ以上に小糸ちゃんが寂しそうすぎて気圧されてるかも」



そうか…。



あたしが寂しがり過ぎて先輩が寂しがれないのか…。



でも寂しいものは寂しいからやめられない…。



ゆっくり歩いたのに、学校にはすぐに着いてしまう。



「じゃあ…またあとで…。卒業式頑張ってね…」

「ありがと」



昇降口のところで泣く泣く別れた。



そして始まる卒業式。



3年生が入場してきたところでまた泣いてしまった。



それから始終あたしは泣きっぱなしで。



隣に座っていたクラスの女の子に苦笑いされた。