好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

~小糸~

風里先輩の周りの人たちの次々に来る合格報告。



みんなすごいなあ。



一年後、あたしもああやって結果に一喜一憂することになるのか…。



本当にどうしようかな、進路…。



受験するとして、どんな大学でどんな学部が良いかなんて全然分からないや…。



ちょっと調べてみよう…。



先輩はこの前教育学部とかどう?って言ってくれたよね。



いくつか教育学部のある大学をネットで調べてみる。



ん? 『教育心理学』…?



こんなのもあるんだ…。



クリックしてみる。



生徒の反抗や対人トラブルなどを教育的視点でとらえて心理学として解明する学問…。



主な就職先も見てみた。



教師、児童館の指導員、スクールカウンセラー…。



スクールカウンセラーか…。



なにか引っかかる。



この前の風里先輩から聞いた子供の話を思い出す。



あたし…ああいう子を救いたい…。



そう思ったら、とにかくその文字が輝いて見えて。



あたし…教育心理学、学んでみたい…。



あたしのやりたいこと…見つけたかも…。



そう思ったら居ても立っても居られなくて。



夜も遅いのに、先輩に電話した。



≪うん…? どうしたの?≫

「先輩! あたし、やりたいこと見つけました!」

≪えっ? おお! 良かったね≫

「あたしね、教育心理学、学んでみたいと思います!」

≪教育心理学?≫



先輩にさっき調べたこと、考えたことを全部話した。



先輩は興味深そうに聞いてくれて。



≪小糸ちゃんがやりたいこと見つけてくれてうれしい≫



そう言ってくれる先輩。



どこまでもあたしは先輩に想ってもらえている。



≪小糸ちゃんにぴったりだと思う≫

「ありがとうございます。あたし…がんばる」

≪うん、頑張って。応援してるよ≫