好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

「ていうか先輩のいない学校寂しいです~…」

「ね~、俺もあと1か月とかで卒業で高校在学も残りわずかなのに寂しいんだよね」

「来週はちょっとでいいから来てください…」

「じゃあそうしようかなあ」



行ってもやることないんだけどねえ…。



っていうか行っても多分誰もいないし…。



でも小糸ちゃんが来てほしいというので行ってみることにした。



「おはよ~」

「おはようございます!」



久しぶりにいつもの公園で待ち合わせると、小糸ちゃんは嬉しそう。



俺の手に飛びつくように触れる。



「先輩卒業しないでほしいなあ…」

「それは無茶な相談だなあ…」

「ですね」



小糸ちゃん、結構寂しがり屋さん。



俺がいない4月からの登校が耐えられるか不安だって。



まあ1年以上毎日一緒に登校してたんだもんね、俺もそれがなくなるのは寂しいよ。



残される小糸ちゃんの方がなおさらそうだよね。



なんて言いながら着いた学校。



教室行ったら先生の方がびっくりするんじゃないかな…。



と思いながら久しぶりに来る自分の教室に入ると、なんと穂高がいた。



「穂高何してんの…?」

「いや、そっちこそ…」



穂高は、家じゃ集中できないのと受験の結果が出るまでそわそわするので明莉ちゃんと会いがてら学校で勉強してたらしい。



第一志望校の受験が終わったからと言ってまだほかの併願校の受験が控えてるもんね。



でも自由登校期間中に来る人っていたんだ…。



「そういえばこの前の第一志望の受験どうだった? 結果出るの来週とかだよね」

「手ごたえは悪くなかった! 俺はこれが終わったら絶対に明莉ちゃんと旅行に行く…」



なるほど、そういうインセンティブがあるのね。



「うまくいくといいね」

「おう! 祈っててくれ」