好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

「小糸ちゃんはなにしてたの?」

「あたしは結くんと夏休みの宿題やってました!」

「ふーん。終わりそう?」

「まだまだ先は長いです…」



べつに幼馴染と宿題せずとも俺とすればいいじゃん?



なんて言ったらまた思わせぶりになるから言わないけど…。



「夏休みって宿題の量多いよね~」

「ですよね~…。結くんが教えてくれるのでなんとか進められてます」

「…」



なんかイライラしてきた…。



その右手に持ってるアイスも。



結人くんと半分にしたわけ?



そのとき、小糸ちゃんのスマホに着信が鳴った。



小糸ちゃんが「誰だろう」とスマホを見る。



「あ、結くんだ」



そう言って電話を取る。



「どうしたのー?」



小糸ちゃんは結人くんと何かを喋りながら時折楽しそうに笑ってる。



しばらくしてから「じゃあ今から行くね」と言って電話を切った。



今から…?



「なんか結くんとノート入れ違いに持ってたみたいです」



そう言ってへらへらと笑った。



「というわけで、ちょっと結くんの家に取りに行ってきます! 先輩、また!」



小糸ちゃんはそう言って公園から出ようとした。



結人くんのところに行くわけね…。



咄嗟に小糸ちゃんの腕を取っていた。



「先輩…?」

「小糸ちゃんはさ、俺のこと好きなんじゃないの?」



ぽろっと言ってしまった言葉。



何言ってんの、俺!?



でも言ってしまった言葉は取り返せない。



俺は小糸ちゃんの腕をつかみながら固まった。



小糸ちゃんは一瞬驚いた顔。



それから、ちょっと顔を赤くして…。



「好きです!」



そう言い放った。