好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

「歩いてどのくらいですか?」

「10分くらいかな。寒い?」

「先輩とくっついてるから大丈夫です!」

「じゃあもっとくっついちゃお」



そう言ってふざけたようにあたしに体を寄せてきた。



あたしもふざけて先輩に力で押し返した。



「おしくらまんじゅうってこの原理だよね」

「ですね、2人でもできましたね」

「なんか体もあったまってきたし」



先輩といると楽しい。



一緒にいると居心地が良いんだ。



こんなに一緒にいてぽかぽかした気分になれる人、他にいない。



着いた神社はライトアップされていて綺麗。



「小糸ちゃん~、甘酒飲む?」

「飲みます!」



先輩と2人であったかい甘酒を飲んで体を温める。



「あと5分で年明けるよ~」



2人でお参りの列に並びながらスマホの時計を覗き込む。



そのとき、スマホの画面に何か白い物が落ちてきた。



「雪だ…」



その言葉に上を向くと、ちらちらと雪が舞っている。



初雪だ!



「先輩と一緒に初雪見れて嬉しいです」

「本当にね~。寒くない?」



そう言いながらあたしを抱き寄せた。



あたしも嬉しくて、にこにこと先輩を見上げる。



「あ、あと1分」



なんて言ってたらすぐに年を越した。



「あけましておめでとう~! 今年もよろしくね」



先輩がそう言ってあたしに笑顔を向ける。



あたしもつられて笑顔。



「今年もこうやって先輩と一緒に年越せて幸せです」

「ふふ、かわいいこと言うね」