好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

それから部屋で油絵を描いたりしてた。



なんかドロドロしたものができた…。



精神状態が出てるなあ…。



次の日は作品作りをするためにいつもの花屋さんに出掛けた。



小糸ちゃんいるかな?



と思ったけどオーナーのおじいちゃんしかいなかった。



「おじちゃん、今日のこの苔玉ナイスだね」

「それいいだろ~。仕入れるの大変だったんだよ」

「へ~。買おうっと」



ミニ盆栽でも作ろう。



「小糸ちゃんは?」

「鶴巻ちゃん? 今日は休みだよ」

「そっか。じゃあまたねー」



店を出てふらふらとその辺を散歩する。



ちょっと遠回りをしてから家までの帰り道を歩いた。



いつもの公園にやってくる。



野草とかいっぱい生えてるから採取しよう。



なんかに使えそうだし。



俺は幼稚園の子供みたいに公園の野草を夢中で摘む。



そのとき、「じゃあねー」という聞き覚えのある声がした。



声の方を見ると小糸ちゃん。



小糸ちゃんは、昨日の結人くんとちょうど別れるところだった。



ポッキンアイスの片割れを食べてる。



小糸ちゃんが俺に気が付いて公園に入ってきた。



「先輩! 何してるんですか?」

「ちょっと野草をね…」

「?」



アイスを吸いながらキョトンとしてる小糸ちゃん。



やっぱ小動物みたいでかわいいな…。