好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

そのまま連れられるがまま、結くんと亜子さんみたいな人が入って行ったホテルにあたしたちも入った。



っていうか2人とここで本当に出会っちゃった場合、超気まずいんじゃ…。



なんてことが一瞬よぎったけど、中に入った瞬間に、見慣れない景色に囲まれて、全部忘れた。



なんか普通のホテルと違う…。



先輩に手を引かれて、タッチパネル式の小さいモニターの前に連れてかれる。



部屋の写真がいっぱい…。



「どの部屋がいい?」

「えっ…。どれでも…」

「じゃあここね」



なんか高い部屋っぽい…。



モニターの下の機械からカードキーが出てきた。



先輩はそれを取ってエレベーターに乗り込んだ。



「なんか先輩慣れてますね…」

「…」



黙っちゃった…。



先輩ってラブホテル慣れてるんだ…。



あたしはちょっと拗ねることにした。



唇を尖らせると、先輩があたしの頬をツンとつつく。



「怒った?」

「妬いた…」

「ごめんね?」

「何に対しての謝罪ですか…」

「うーん…ラブホに慣れてることを隠さなかったから…」



隠されてるのも嫌だ!



ってあたし、わがまま…?



だって嫌なんだもん…。



せめてもの対抗で、あたしは先輩にぎゅっとしがみつくことにした。



先輩はなんか嬉しそう。



「ヤキモチかわいいね?」

「あたしだけの先輩でいいのに…」

「もう小糸ちゃんだけのものだよ」



余裕そうで悔しい…。



そのまま部屋に入ると、意外に広い部屋。



あ、なんか非日常空間すぎて楽しいかも…。



テレビとかも大きいし…ってぬぁ!?



「小糸ちゃんは見ちゃダメ」



エッチなDVDがいっぱい置いてある…。



先輩に目を手で覆われた。



それから体をくるっと先輩の方に向けられた。