好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

「あんまサイズ自信ないんだけどさ。どこかはまる指あればいいかなって」

「アハハ、そこは適当なんですね。でも嬉しい…」

「ちょっとはめてみていい?」

「お願いします!」



先輩が箱の中の指輪をそっと取り出して、あたしの右手を取った。



人差し指から順にはめていく。



そして、薬指でぴったりと合った…。



「やば、俺天才かも」

「先輩は天才ですよ」

「気に入った?」

「すごい気に入りました! お揃い増えた~!」



右手の薬指にはめられたそれは、ものすごく輝いて見えて。



先輩が同じように自分の右手の薬指にはめた。



2人で指輪を空にかざした。



お揃いの指輪ってすごい嬉しいね…。



しかも先輩の手作りなんてなおさら嬉しい。



「今日なんの記念日でもないのに…」

「ん~、受験終わった記念?」

「最高の彼氏ですね…」



先輩がふふ、と笑ってあたしの手を取った。



あたしの指を優しく撫でる先輩から、愛情が伝わった。



キス…したいな…。



外なのに。



だけど今は何よりも先輩を近くで感じたかった。



先輩のことを見上げて、軽く唇を向けると、先輩は一瞬キョトンとした顔をしてから、優しく笑って、あたしに優しいキスをしてくれた。



なんて幸せな日なんだろう…。



それからしばらく2人でそうやって過ごした。



夜ご飯もその辺で食べて。



夜も遅くなったので帰りの電車に乗った。



帰り難いなあ…。



だけど電車はあっという間に最寄り駅に着いてしまった。