好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

「待たせてごめんね?」

「それは全然ですっ! でも、先輩とこれからはもっと一緒にいられると思うとすごい嬉しいです…」

「ん~! ぎゅ!」



かわいいことを言う小糸ちゃんをぎゅっと抱きしめてしっかり手をつないだ。



俺も最高の気分だ。



「じゃあ、終わったことだし…デートでもしよっか?」

「デート~! 超…したいです」

「どこ行こうね~」

「先輩とだったらどこでも嬉しいです」



そんな嬉しいこと言ってたらどこも決まらないじゃないか…。



ん~、まあちょっと考えておこう。



それから穂高にも連絡した。



『まじで! すっげえな! おめでとう!』



ありがとう~…。



そして、直くん…。



同じ大学の学科を目指していたから、ちょっと言いづらい…。



でも直くんは推薦受けてないからね。



予備校の先生に挨拶しがてら直くんにも会いに行った。



「風里~、どうだった?」

「無事…合格しました…」

「うわ~、まじかー! おめでと! 一足先に抜けるってわけね…。俺も頑張らねえと…」



直くんは爽やかだった。



彼女の加奈乃ちゃんには思いっきり悔しがられたけど。



「来年入学するときは絶対一緒に入学しような!」

「うん、俺が言うのもなんだけど…応援してる」

「くそ~、やっぱ悔しいな! でもありがと!」



長らくお世話になったこの予備校にももう来ることはない。



そう思うとちょっと寂しいけど…。



でも何よりも解放感が半端ない。



受験勉強からも受験用の美術からも解放される…。



これからはずっと俺だけのアートをやってて良いわけだ…。



小糸ちゃんとももっと会う時間を増やせる。



そう思うと心が弾んだ。



まずは何を作ろうか。



たまっていた分、最高のものが作れそうな気がした。