好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

~風里~

ついに明日、俺の推薦入試の日。



緊張…。



穂高から「明日がんばれよ~」と送り出されて学校を出た。



今日は、明日に備えて予備校には行かず、まっすぐ家に帰る。



小糸ちゃんと手を繋ぎながら、寒くなってきた道を歩く。



ブレザーに、俺が去年あげたモコモコのマフラーの小糸ちゃんは今日も超かわいい。



「推薦入試の結果ってどのくらいで出るんですか?」

「ん~、1週間くらい?」

「早いですね」

「でも長い一週間かも…」



結果出るまで気も落ち着かないし勉強に集中もできなさそう…。



小糸ちゃんといつもの公園に入る。



ベンチに2人座ると、小糸ちゃんのことをぎゅっと抱きしめた。



「先輩…?」

「小糸ちゃんは俺の安定剤だからね~。しばらくこうしててください。お医者さんから処方されてるんで」

「なに言ってるんですか…」



なんか呆れられたけど、小糸ちゃんはじっと俺から抱きしめられ続けてくれた。



そのうち、俺の背中に手を回し、トントンと優しく背中を叩いてくれる。



「先輩も緊張してるんだね」

「ね~…。でも小糸ちゃんのおかげでほどけてく感じ…」

「へへ…嬉しいな」



照れたようにはにかむ小糸ちゃんがますますかわいかった。



俺は周りをきょろきょろと見渡す。



うん、誰もいない。



「チューしていい?」

「聞かないで…」



じゃあ遠慮なく。



小糸ちゃんに長めにキスをすると、ぽーっとした顔。



俺はもう一度小糸ちゃんを抱きしめた。