好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

~小糸~

あたしが修学旅行で水着を着ると知ってから様子のおかしい風里先輩。



ずっとなんか負のオーラなの…。



でも、さっき電話したら意外と元気そうだった。



大好きだよ、なんてイチャイチャしたメッセージのやり取りもしちゃって。



あたしって世界一の幸せ者かも。



電話を切ったあたしは、部屋でババ抜きをしてる女子たちの間に混ざった。



「いいな~、修学旅行中に彼氏と電話」



クラスの子にそう言われて、ちょっと赤くなる頬。



「風里先輩が彼氏ってどんな気分なの? なんかめっちゃ優しそうだよね、風里先輩」



その言葉に、あたしは照れつつうなずく。



「先輩は…めっちゃ優しいよ。あたしの言うこといつも笑顔で聞いてくれるし」

「最高の彼氏じゃん」

「たまにちょっと嫉妬深いけどね」

「あの感じで嫉妬深いとか最高~。あたし嫉妬深い男大好き」



それで場がちょっと盛り上がった。



嫉妬された~い、とか、彼氏があんまり嫉妬してくれなくて病んでる、とか…。



そうか、みんな色々あるのね…。



あたしも正直嫉妬されるのは嬉しいとか思っちゃうよ。



風里先輩は本気で嫉妬してるから申し訳なくもあるけど。



あたしだって結構嫉妬しちゃうから。



お互い様かな?



「ねえ、でも風里先輩のエッチってどんな感じ?」

「へっ!?」



突然すぎる質問に動揺するあたしに、みんなケラケラ笑ってる。



ババ抜きとかそっちのけであたしに一点集中って感じ…。



こ、怖いっ!



逃げられない感じ…?



心なしか、みんながにじり寄って見える…。