好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

~風里~

俺に無邪気に笑いかけてくれる小糸ちゃん。



俺の作品を見て素直に感動してくれて。



はしゃいだり笑ったり…。



なんだかそれがかわいくて、手の中に入れてみたくなって、つい小糸ちゃんの顔をつかんでしまった。



我ながら、何をやってるんだろうと反省…。



小糸ちゃんは怒らないでくれたけど…。



小動物みたいでかわいかったんだもん…。



それから小糸ちゃんを家まで送って、一人家に帰った。



そして、今日からは夏休み。



明莉ちゃんのことが気になるという穂高。



俺に「どうしたら良い先輩で終わらない?」なんて聞いてきたけど、「知らないよ」と返しておいた。



まあ頑張れ…。



夏休みにデートとか誘うらしい。



明莉ちゃんって恋愛慣れしてなさそうだから、恋愛っぽい感じを仄めかさないとスタートラインに立てなさそう。



って、それを教えてあげればよかったのか…。



まあいいや。



なんとかなるでしょう。



俺は夏休み初日、一人で映画を見に行きます。



一人で映画館に行った。



ポップコーンも食べちゃおう。



あとコーラね。



一人で映画を見て、一人で感動して…。



映画を見終わって、席を立った。



って、あれ?



小糸ちゃんがいる…。



「小糸ちゃ…」



声をかけようとしたとき。



あれ、なんか隣に男の子がいる…。