好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

そして夜になったら小糸ちゃんと電話。



去年は小糸ちゃんが俺にお願いして毎日電話してほしいって言ってきてたのに、今年は俺の醜態を見かねた小糸ちゃんが「毎日電話しましょう」と提案してくれた。



小糸ちゃんが段々と大人びていく…。



俺もしっかりしなきゃね。



「もしもーし」

≪先輩! わーい先輩だ~≫



電話越しにも嬉しそうな声が伝わって俺は気持ちがやわらかくなっていくのを感じる。



「今日楽しそうだったね」

≪めっちゃ楽しかったです! 先輩にお土産もありますよ~≫

「なんだろ」

≪帰ってきたらすぐ渡すので楽しみにしててください!≫

「わーい、楽しみ」



なんて他愛もない話を広げていく俺たち。



俺にとっての天使そのものかも。



ぐちゃぐちゃだった気持ちがこんなにほぐれてく。



「あ、班のメンバーとの写真も見たよ。明莉ちゃんが穂高に送ってきてたから」

≪あ~、見せないようにしてたのに…。別になんもないですからね…?≫



そう言う小糸ちゃんに俺は苦笑。



ごめんねえ、気を遣わせて…。



「なんか変なことされてない?」

≪されませんよ!≫

「ならいいや…。あ、明日こそ変なことされないように気を付けてね?」

≪はいはい…≫



呆れられてる…。



だって明日は水着じゃん?



想像するだけで可愛い小糸ちゃんの水着じゃん?



「今度俺にも見せてね」

≪まあ来年の夏だったらいいですよ≫

「ほんと! 絶対ね」

≪分かりました≫



見えないけど2人で電話越しに指切りした。