好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

一方、穂高は意外と元気。



明莉ちゃんとはチャットでこまめにやり取りしてるし、たった3日だから寂しくないって。



お前が変だよと言われた。



やっぱ俺って変…?



でも気になっちゃうんだもん、もう性質だよこれ…。



「楽しそうにしてるみたいじゃん」



そう言って穂高が、明莉ちゃんから送られてきた写真を見せてくれる。



あ、これさっき小糸ちゃんも送ってきてくれたやつ…。



なんか沖縄文化が体験できるテーマパークにいるみたい。



班行動なんだって。



小糸ちゃんが送ってきてくれたのは、沖縄の民族衣装を着た小糸ちゃんと明莉ちゃんのツーショット。



超かわいいよね~…。



班に男の子が2人いることも知ってるけど、俺が嫉妬するのを知っててあえて送ってきてないのが分かる。



だって明莉ちゃんが穂高に送ってきた写真は4人で写ったやつだったもん。



はあ…気まで遣わせている…。



嫌になるね、自分が…。



でも楽しそうにしてる班の男の子が憎らしくてしょうがないよ。



小糸ちゃんのこと好きなんじゃないの!? とか邪推しちゃう。



男子とはくじ引きで決まった班らしいけど。



重い重いと言われる自分にがっかりしながらも、俺は受験勉強を頑張る…。



「うおっ、今日のは一段とすごいな」



アクリル絵の具で描いた絵を隣で見ていた直くんが感心したように見てくる。



俺の負のオーラをぶつけてできたようなもんだ…。



「でも受験向きじゃないよね~…」

「まあそれが推薦では活きてくるんじゃね?」



そうか…。



とにかくこの気持ちをアートにぶつければいいわけね。



受験が始まるまでやってた手法だ。



受験を意識しすぎて忘れてた。