好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

それからお互い目的地に着いて別れた。



バイト先には亜子さん。



昨日のことがあったからか、ちょっと気まずそう。



でも笑顔で「おはよー」と言ってくれた。



あたしは亜子さんに結くんからのおつかいが…。



「亜子さん…」

「ん?」

「朝、結くんにたまたま会ったんですけど…、結くんが亜子さんの連絡先知りたいって…」

「えっ!?」



亜子さんが目を丸くしてから、あたしのところに来ようとして、何もないところでつまずいた。



めちゃくちゃ動揺してる…。



昨日から、あの亜子さんがこんなに動揺するなんて…。



すごく意外なことだ。



「小糸ちゃん、それ本当?」

「はい…。教えてもいいですか?」

「お願いします…」



亜子さん…。



やっぱり結くんのこと好きなんじゃないかな…。



なんて、あたしから偉そうに言うことはできないけど。



そわそわした様子の亜子さんに、ただ幸せを願うことしかできなかった。