好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

「あんたは罪深い女だね~」

「亜子さん…」

「でもこうなった以上はあたしと結人の問題だから。気にしないでよね。っていうか連絡先も知らないんだよな~、聞いとけばよかった」



そうやって明るく言う亜子さんは良い先輩だなと思った。



何にも役に立てなくてごめんなさい…。



その日、寝る前の電話で風里先輩に今日の亜子さんの話をしてみた。



「おお~、まじか、それはびっくりだね」

「そうなの…。あたしも何て言ったらいいか分からなくて…」

「俺的には結人くんとその亜子さん? がくっついてくれたら超助かるけど~。小糸ちゃんのこと狙う輩が減って」

「そんな簡単に言わないでください!」

「あはは、ごめんごめん」



もう~…。



あたしは真剣に考えてるのに。



結くんだってあたしにとっては大事な幼馴染だ。



その大事な幼馴染を傷つけてしまっている事実があたしには結構重いことで…。



その上、大好きなバイト先の先輩もそれで悩んでるんだからあたしも悩まずにはいられないよ…。



風里先輩も分かった上でわざと言ってくれてるんだと思うけど。



「でもさ、結人くんはどう思ってるんだろうね、そうやって一晩明かした亜子さんのこと」

「そうですね…。聞いてみるわけにもいかないし…」



あたしにできることって何もないのか…。



なんとなく晴れない気持ちのまま、次の日になった。



あたしは朝からバイトなので、予備校に行く風里先輩と一緒に向かう約束。



いつもの公園で待ち合わせて、一緒に行こうとしたら、ばったり結くんに会った。



結くんに会うのはあれから初めて…。



風里先輩があたしを少しだけ後ろに隠した。



あたしは軽く目を伏せる。