好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

部屋に入ると、いつも通り、鍵をかけて、あたしをそっと抱きしめてくれる。



これ好き…。



あたしも先輩のことを抱きしめ返す。



へへ…。



最高だあ…。



久しぶりの甘い時間に心がとろけるのを感じる。



でも…。



「先輩…勉強しなくていいの?」



もうかれこれ1時間くらいイチャイチャしてる。



いつもなら結構すぐ机に向かうんだけど…。



「今日はもういい、しないことに決めた」



そんなこと言う先輩。



「え~…しないとダメですよ」



あたしがそう言ったら先輩があたしの両頬を片手でぎゅっとつぶした。



「なんでそんなこと言うの…」

「だって先輩が志望校落ちたら嫌だもん…」

「分かったよ…」



先輩がしぶしぶ机に向かい始めた。



あたしはそんな先輩の背中にぴとっとくっつく。



「じゃあ今日だけちょっと邪魔してもいいですか?」

「してきてよ」



わーい。



あたしはそれから先輩の背中にひたすらくっついた。



いつもしないけど今日だけね?



しばらくそうしてたら部屋の外から「ご飯できたよ」とお父さんの声が聞こえた。



一緒にリビングに降りると、豪華なご飯…!



誕生日スペシャルだ!



「あたしまですみません…」

「なに言ってるの~。座って~」



ご家族に交じって一緒にご飯をごちそうになる。



「小糸ちゃん、いつもありがとね」

「へ!? 何がですか?」



お母さんに言われてびっくりするあたし。