好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

それから寝て起きて、予備校に行ったら直くんと加奈乃ちゃんも祝ってくれた。



「はい、これ誕生日プレゼント」

「ありがとう! なに?」



本っぽい。



包装をはがすと参考書だった。



「これで一生懸命勉強しな」

「あはは、ありがと」



気を引き締めます…。



でも今日は小糸ちゃんが俺の家で誕生日祝ってくれるから楽しみだな~。



早く授業終わって帰ろう。



今日くらいちょっと気抜いちゃおうっと。



さっきまでの『気を引き締める』の宣言はどこへやら…。



それから一日勉強やデッサンの授業など頑張って、ようやく今日のやること全部終了!



あとは明日ちょっと早く起きてやるもんね~。



予備校の下で待ってるという小糸ちゃんのところに急いだ。



建物から出ると、小糸ちゃんが壁に背をつけて立ってた。



「お待たせ! 暑いのにごめんね」



そう言って声をかけると、嬉しそうな顔の小糸ちゃん…。



あ~、癒し…。



「あれっ、今日もメイクしてる! かわい~!」

「先輩が喜んでくれるかなってしてみました!」

「喜んだ! 素材がいいから余計映えるね」



俺がそう言ったら照れた。



その反応もかわいい。



小糸ちゃんと手を繋いで家までの道を歩いた。



9月の暑さが残る今日。



夏の暑さよりも手つなぎたいという気持ちの方が勝つんだから不思議だよね~。



なんてことない会話をして。



小糸ちゃんの存在が束の間の癒しだなあなんて思った。