好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

「泣くなよ…」

「ごめん…」



結くんが、あたしのブランコを自分の方に引き寄せた。



それから、あたしの顔を真剣な表情で見て…。



「俺にしとけば?」



信じられないことを言った。



えっ!?



な、なに…?



どういうこと…?



あたしは軽くパニック。



出ていた涙も引っ込んだ。



何を言われたのかよく分からない。



「ゆ、結くん…? どういう意味…?」

「そのままの意味。俺なら小糸の境遇もあの男よりも分かってあげられるし。寂しい思いなんて絶対させない」

「な、なんで結くんがそんなこと言うの…?」

「小糸のことが好きだから」



あたしのことが…好き…?



えっ、はあ?



あたしはブランコから立ち上がる。



主人を失ったブランコはそのまま小さく揺れる。



「本気…?」

「本気。子供のときから、俺はお前のことが好きだった」

「なんで今さら言うの…」

「俺だって言うつもりなかったよ。小糸が俺のこと全くそういう目で見てないのも知ってたし。でも、お前のそんな顔見たら…言わずにいられなかった」



信じられない…。



結くんが…あたしを好き?