好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

そして次の日、あたしはバイト。



バイト終わりに先輩と一緒に帰ろうと思ったら、また『先に帰っててね』と言われてしまい、一人寂しく帰る…。



別に今日は市川さんのいる日じゃないけど、なんだか気持ちが沈むので久しぶりにいつもの公園に入った。



ポツンと一人、夕焼けに照らされながらブランコを漕ぐ。



しばらくそうしてたら、「小糸?」と声がした。



声の方を振り向くと結くん。



「何してんだこんなとこで」

「なんか…暇つぶし」

「珍しいな。最近は彼氏の家で時間つぶしてるって言ってたじゃん」

「そうなんだけどね~…」



あたしはあいまいに笑った。



そんなあたしに結くんは怪訝そうな顔。



それからあたしの隣までやってきて、ブランコに座った。



「彼氏となんかあったのか?」

「別になんもないよ~」

「じゃあなんで…」



今日はやけに聞いてくるな…。



あたしは結くんの方を見て、引きつらないように気を付けながら、笑顔を作る。



「最近あんまり会えてないんだよね~、先輩が受験生だから」



あたしがそう言うと、結くんがいつになく真剣な顔になった。



「大丈夫なのか?」

「うーん、でもしょうがないから…」

「でもお前は寂しいと思ってるんだろ?」

「…」



その言葉に、なんだかちょっと泣けてしまった。



寂しいよ…。



でもあたしがわがまま言えないもん…。