好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

「俺はね、小糸ちゃんがいるから頑張れるよ」

「あたしが…?」

「うん、今だってさ、勉強で疲れてるのもこうやって癒してもらってるし」



それは…素直に嬉しいけれど。



あたしが先輩の邪魔になってないかってそればかりが気になっちゃうよ。



「俺こそ、小糸ちゃんに我慢させてて申し訳ない…」

「そんなこと…。あたしは大丈夫です」

「そう…? 我慢しないで寂しいときは寂しいって言ってね? 何ができるか分からないけどさ、一人で抱えさせるのは嫌だから…」



先輩のその優しい言葉で今のあたしには充分です。



こんなにあたしを想ってくれる…。



「受験終わったら色んなところに遊びに行こうね。また旅行とかも行こう」

「行きたいです!」

「うまくいけば11月の推薦で受験終わるし。まあそんな簡単じゃないけど…」



11月か…。



あと7か月。



今のあたしにはそれでも長く感じてしまうけど。



先輩が頑張ってるんだもん。



せめて一番近くで応援して支えられる存在になりたい。



それから先輩に頭を撫でられながら眠った。



次の日は休みの日で、少し起きるのが遅くなってしまったあたしたちは、起こしにきたお母さんに一緒に寝ていたことがバレて怒られた。



「本当にあんたたちは油断するとすぐ一緒に寝たりするんだから…」

「ごめんなさい…」

「家に泊めて何かあったら小糸ちゃんの親御さんに顔向けできないでしょ」

「でも俺たち何もしてないよ…。一緒に寝てただけ…」

「そういう問題じゃないでしょ! 年頃の男女が一緒に寝て何もないなんてことがレアケースなんだから」



なんか気まずいというか恥ずかしいというか…。



お母さん…そのくらいにしてください…。