好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

お部屋に布団を敷いて、お風呂を上がって寝る支度をしていたら、部屋に先輩が入ってきた。



「せんぱっ…」

「シィー…」



先輩が口元に人差し指を当てて、そっと部屋のドアを閉めた。



それからあたしの前にストンと腰を下ろして、あたしのことをそっと抱き寄せる。



ドキドキ…。



あたしはそっと先輩の腰に手を回した。



「どうしたんですか?」

「疲れたから。一緒に寝よ?」

「でも…」

「ダメ?」



あうっ…。



そんな子犬みたいな顔で…。



「ダメじゃない…です…」

「良かった」



ああ…。



よくしてもらってるご両親を裏切っているようで若干の罪悪感…。



でも先輩がそんな顔するから…。



あたしも一緒に寝たくなっちゃった…。



先輩が先にお布団に入って、あたしの分の隙間を開ける。



あたしもそろりと布団に入った。



一人用のお布団は、2人で入るととても狭い。



ぎゅっとくっつかないとはみ出ちゃう…。



先輩が嬉しそうにニコニコ笑ってあたしを見た。



それからあたしに一瞬チュッとキスをする。



一瞬にして赤くなる顔…。



でも、寂しいという気持ちがこういう一つ一つの愛情表現で埋まっていくのを感じる。



「あたしは先輩のお荷物になってないですか?」

「え? なにが?」

「だって…受験しながら恋愛するのって良くないって言うし…」



あたしがそう言うと、先輩が優しい顔であたしの前髪をかき分けた。