好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

「おいしい! お父さん作ですか?」

「うん、仕事行く前にいつも作ってくれるの」

「いいなー、料理人のパパ」



まあ親のご飯がおいしいってありがたいことではあるよね。



小さい時から父親の手料理食べてるから感動も薄いけどさ。



「小糸ちゃん今日はもう試合ないの?」

「はい、負けちゃったんで。先輩は?」

「俺は~2時間後? とかかな」

「そっか! じゃあ一緒にしばらくゆっくりしてましょ!」



ご飯も食べ終わった俺たちは、お弁当を片付けてのんびり。



小糸ちゃんの髪の毛を編みこんだりして遊んでる。



それから小糸ちゃんを膝に乗せてぎゅーっと抱きしめる。



「先輩、人来たら超恥ずかしいんですけど…」

「大丈夫大丈夫。来ないって」



俺の適当な返事に、抱きしめてる俺の腕を小糸ちゃんが軽くパンチした。



最近ちょっと強くなったね…。



「こっち向いてよ」

「はい…」



それでもこうやってチューさせてくれる。



俺、超~幸せ。



「そういえば明莉と穂高先輩、この前はじめて手つないだらしいですね」

「ね、聞いた~。ピュアだよね~」



2人ともあんまガツガツしなそうだし。



穂高とかヘタレだし。



チューどころかその先なんていつになるやら…。



まあそれが2人の距離感でちょうどいいんだろうな。



俺は小糸ちゃんの前髪をかき分ける。



「小糸ちゃんは無理してない?」

「えっ? 何がですか?」

「いつも俺ばっかり小糸ちゃんに触ってるじゃん? 嫌だったら言ってね」



俺がそう言うと、小糸ちゃんが俺の手をぎゅっと握りしめた。



えっ、なに? かわいいんだけど!