好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

「彼女…だったりするのかなあ」

「彼女いるなんて聞いたことないけど…」

「あたしもないけど…」



ちょっとこれは風里先輩に確かめてみなければ…。



放課後、先輩と一緒に帰る。



先輩と手をつなぎながら、ちらっと先輩の顔を見た。



「ん?」



先輩はあたしに笑顔を向ける。



「穂高先輩って、彼女いたりしますか?」

「いないけど…。なんで穂高? まさか小糸ちゃん…」

「違いますっ!」



すぐそういうこと言うんだから…。



でもそうか、彼女はいないんだね。



「明莉が、穂高先輩が女の人とおしゃれなお店で食事してるの見たって言ってて、そういえばどうなのかなって」

「ああそうなんだ。バイト先の先輩かも」

「バイト先の?」

「うん、なんか穂高に気がありそうな感じの人がいてさ~。穂高はその気なさそうだけど」



なんと!



これは明莉に報告しないと…。



次の日、さっそく明莉に昨日風里先輩から聞いた話をした。



ずんとした顔になる明莉。



「そんな人と一緒に食事したってことはそういう関係なのかなあ…」

「でも穂高先輩はその気なさそうって言ってたよ」

「ほんと?」

「うん。明莉…ちょっと勇気出してみたら?」



だって早くしないとその先輩に取られちゃうかもしれないし!



2人、今仲良く連絡を取り合ってるのも知ってる。



あたしと風里先輩も付き合う前、頻繁に連絡を取り合ってた。



ワンチャンあるんじゃない!?