好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

「お待たせ」



バイトの終わった穂高が俺の向かい側に座る。



「はい、これあげる」

「なんだよこれ」

「穂高の強化物語」



穂高に描いた漫画を渡したらケラケラと笑ってる。



「お前は本当面白いな」

「どうもね…」



そのとき、バイトの制服を着たお姉さんが「穂高くん、おつかれ~」と俺たちの机に声をかけにきた。



「おつかれさまっす~」

「だいぶバイト慣れてきたね」

「ほんとっすか!? 良かった~」

「うん、分からないことあったら何でも聞いてね」

「ありがとうございます!」



それからお姉さんが俺にぺこっと挨拶してから仕事に戻って行った。



「先輩?」

「おう、バイトリーダーなんだけどすげえ優しいの」

「ふーん」

「それよりさ、明莉ちゃんのことなんだけど」



出たよ…。



クリスマスに何の進展もなかったとは聞いてる。



告っちゃえば良かったのにね…。