好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

朝、ゴソゴソという音で目が覚めて。



≪あれっ、電話つながってた…≫

「おはよ~…」

≪わっ、先輩、おはようございます!≫



小糸ちゃんが慌てた声を出した。



朝からよく声が出るねえ。



≪繋がったまま寝ちゃってたんですね…≫

「うん、小糸ちゃんの方が先に寝たけど…なんか切るのもったいなくてそのままにしちゃった」

≪あたし変な声とか出してませんでした!?≫

「うん、寝息は聞こえたけどかわいかった」

≪恥ずかしい…≫



恥ずかしくないよ。



むしろ電話越しに聞かせてくれてありがとうだよ。



寝息一つ一つが愛おしいんだからさ…。



それからバイトに行くという小糸ちゃんに「いってらっしゃーい」と言って電話を切った。



そんな俺は今日は穂高と約束がある。



バイトを始めた穂高が俺の働く姿を見に来いって…。



仕方ないから行ってあげるよ…。



ファミレスでバイトしてる穂高。



行くとせっせとホールで頑張ってた。



「来たよ」

「おお! ありがとな! あと1時間で終わるから終わったら一緒にここで飯食おう」

「おっけー」



席に案内されて、ドリンクバーを注文する。



暇だからバイト姿の穂高の絵を描く。



4コマ漫画にしよ。



バイト初心者でポンコツだった穂高が山で仙人と修行を積んで俊敏な動きでホールを捌く漫画。