好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

「付き合ったよ、おかげさまで」

「おお! 良かったな。写真とかねえの? 見たい」

「ええ~…」



みんな興味津々って顔してる…。



姉ちゃんも弥玖も、自分の恋人を家族の旅行に連れてきたりしてるからみんな結構知ってるけど、俺はそういうことしたことなかったし…。



確かに興味は持たれるかも…。



まあいいや、自慢しよう。



小糸ちゃんの写真を何枚かみんなに見せる。



ああ、俺のスマホが回覧されてく…。



みんな『かわいい』だって。



そりゃそうだよ、小糸ちゃんはかわいい。



「付き合ってどんくらい?」



悠麗くんが聞いてくる。



「ん~…4か月くらい?」

「早く言えよ!」

「だって聞かれなかったから…」



悠麗くんに小突かれた。



まあ悠麗くんには早く言えばよかったかもね、相談乗ってもらったし…。



「名前は?」

「小糸ちゃん。かわいいでしょ」

「じゃあ小糸ちゃんも次の旅行は参加か? あ、でもお前受験あるか」



そうなんだよね…。



美大に行きたい話は悠麗くんと親には結構前から相談してる。



悠麗くんも美大出てるからね。



美大受験は結構難しい。



特に俺が目指してるところは難関大だから。



3年生になったら本格的に受験勉強も始めないとだし、予備校にも通わないと…。



小糸ちゃんと今みたいにデートしたりできないと思うと寂しいし申し訳なさもある。



それでも小糸ちゃんのこと蔑ろにするつもりは全然ない。



申し訳ないけど応援してもらおう…。