好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

≪えっ、行くの…? い、いってらっしゃい…≫



嫌そう…。



「い、行かないです…」

≪そんな…俺に遠慮しなくていいよ…。大事な友達でしょ…?≫

「そうですけど…。先輩が嫌がるから…」

≪あっ、分かった、俺も行く!≫



えっ?



あ、先輩も来るんですか!?



目の前の結くんは腕を組んであたしのことを待ってる。



「結くん…。風里先輩も来るって言ってるんだけど…」

「はあ?」



いや、普通に気まずいよね…。



どうしましょうね…。



でも結くんは「分かった」と言ってくれた。



ほ、ほんと…?



いいの?



いいよ、という結くんの言葉に甘え、先輩も合流することになった。



なんかあたしが気まずい気がするけど…。



神社に行ったら先輩の方が先に来ていて。



あたしと結くんに手を振った。



「ごめんね、俺まで」

「まあ別に。でも風里くんってちょっと重いよね」

「重…」



ああっ、なんか先輩がショック受けてる…。



「結くん、そんな言い方しなくてもいいじゃん…」



まあぶっちゃけちょっと重いという気がしなくもないけど。



でもそれが嬉しかったりするし…。



「小糸がいいならいいけど」



なんか結くん、怒ってる…?



やっぱよく知らない風里先輩と一緒に初詣なんて嫌だったか…。



気まずい…。



あたしを間に挟み、風里先輩と結くんと歩き始めた。