好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

夜は3人でお鍋を囲んだ。



それから年末の歌番組を見て…。



終わってから自分の部屋に行って先輩と電話した。



あと数分で年が明ける…。



電話の向こうからは賑やかな声。



「先輩はいま家ですか?」

≪うん、渚くんとか叔父さんたちが来てる≫

「そうなんですね! 楽しそう」



なんて言ってる間にあと年越しまであと1分。



先輩と一緒にカウントダウンした。



≪…2、1、あけましておめでとう~!≫

「わー! おめでとうございます~」

≪今年もよろしくね≫

「こちらこそです!」



先輩とこうやって一緒にカウントダウンして年を越せるなんて幸せ。



先輩のことを遠くから見て憧れてるだけだったあたしに教えてあげたいよ…。



そのまましばらく話してたら、ピンポーンとインターホンが鳴った。



お母さんが出るのが聞こえる。



「あら~結くん! あけましておめでとう」

「どうも~。小糸いますか?」



えっ結くん?



その声は電話の向こうの先輩にも聞こえたみたいで。



≪…結人くん来てるの?≫

「みたいですね…」



そして「小糸~、入るぞー」と部屋の外から声が聞こえた。



そしてそのままガラッと開かれる扉…。



「なんだ、電話してんの」

「ゆ、結くん…。どうしたの?」

「いつもの神社行こうと思ったんだけど」



そういえば毎年結くんと一緒に年明けに近所の神社に行ってたな…。



もつ煮とか食べたりして。



すっかり忘れてた。



「行かねえの?」

「えっと…」



ど、どうしよう?



あたしとしては別に結くんに対してなんの特別な感情も持ってないから全然やましくもなく行けるんだけど…。



先輩が嫌がるよね…。