好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

と思った瞬間、「ただいまー」という声がした。



「姉ちゃん…」



姉ちゃんの存在忘れてた…。



しかも渚くんと一緒だ。



小糸ちゃんが慌てて立ち上がって2人にお辞儀した。



「風里の彼女だ~! はじめまして~。姉の陽鞠です。こっちは彼氏の渚」



うちの親とは何度も会ってるけど、小糸ちゃんと姉ちゃんが会うのは意外にも初めてだ。



「なに~? お母さんたちいないからって2人で家でイチャイチャしてたの?」

「そうだよ…。2人が帰ってこなかったら完璧だったのに…」

「悪かったね~」



全然悪びれてない姉ちゃんの返事。



渚くんは物珍しそうに小糸ちゃんのことを見てる。



「今日小糸ちゃん泊まるから」

「そう。渚も泊まるよ」



そっか…。



全然2人きりじゃないじゃん…。



でもいっか、一緒に寝れるもんね~。



4人でジャンケンしてお風呂入る順番を決めて。



一番風呂は小糸ちゃんになった。



「お先にすみませんっ」

「いってらっしゃ~い」



そう言って姉ちゃんたちは部屋に上がっていった。



小糸ちゃんも部屋に行ってお風呂の準備。



俺はそんな小糸ちゃんを追いかける。



「ねえねえ小糸ちゃん」

「なんですか?」

「キモいお願いしていい?」

「…なんですか?」

「俺の部屋着着てくれない?」

「へっ?」



せっかくだから見てみたくて…。



キモいけど…。



男の願望みたいなもん…?