好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

「はあ…。帰りたくないなあ…」



小糸ちゃんが言った。



「俺も帰したくないなあ…」

「こんなに二日間楽しかったのに家帰ったら市川さんいると思うと本当に憂鬱です…」



そうかあ…。



うーん…。



「もう一泊する…?」

「えっ?」

「俺は全然いいよ? 小糸ちゃんのお家の人がいいならね」



俺がそう言うと小糸ちゃんはじっと考え込んだ。



そしてしばらくしてから俺のことをぱっと見る。



「お言葉に甘えても…いいですか?」

「もちろんだよ。でもお母さんに許可ちゃんと取ってね?」

「はい!」



小糸ちゃんはそれからお母さんに連絡して。



許可が出たみたいだ。



小糸ちゃんとまだ一緒に過ごせるなんて予想してなかったことだけど嬉しい。



「あっ待って」

「なんですか!? やっぱダメですか!? 帰ります!」

「じゃなくて…」



そういえば今日って…。



母さんが父さんと外で泊まってくるって言ってた気がする。



えっ、てことは2人きり!?



小糸ちゃんの肩を抑える。



「…?」

「小糸ちゃん…今日、一緒に寝る?」



俺がそう言うと、きょとんとした顔。



俺は小糸ちゃんに事情を説明した。



小糸ちゃんはちょっと恥ずかしそうにもじもじ。



だけど、「…一緒に寝たいです」と小さい声で言った。



え、最高なんだけど…?



母さん、父さん、外泊してくれてありがとうっ!



クリスマスに子供を置いて外泊するくらい仲の良い両親に感謝した。



じゃあこのまま2人きり…。