好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

俺はかまわず、小糸ちゃんの頭を押さえてキスを続けた。



小糸ちゃんが一生懸命俺に合わせようとぎこちなく舌を絡めてくるのがかわいすぎて。



ふふ、と思わず声を出して笑ってしまう。



本当に愛おしい存在だなあ…。



ずっと俺だけのものにしたい…。



っていうか今日せっかく同じ家で寝てるのに一緒に眠れないって本気…?



母さん、同じ部屋で寝ちゃダメ…?



まあさっきもお風呂上りにダメって言われたんだけどさ…。



『未成年の2人にあたしの家で何かは起こさせないよ』だって。



自分だって高校生のときに好き放題してたの、俺は知ってるよ…。



悠麗くんが言ってたもん…。



長いキスをして、ゆっくりと唇を離した。



小糸ちゃんは真っ赤な顔で息を深く吸った。



「息継ぎのタイミング難しいです…」

「あはは、初々しくてかわいいね」

「先輩は慣れてますね…」



うーん…。



まあ慣れてるかも…。



ごめん、そんなショック受けてるみたいな顔しないで…?



俺は小糸ちゃんのことを抱き寄せて頭をなでなで。



「大好きだよ」

「あたしもです…」

「ねえ、今度、2人で旅行しようか」



俺がそう言うと、小糸ちゃんがパッと顔を上げて、「いいですね!」と嬉しそうに笑った。



家がダメなら外でいっぱいイチャイチャすればいいんだ。



姉ちゃんは高校生のときに彼氏と旅行行っちゃダメって言われてたけど。



俺は姉ちゃんより素行がいいから許されると思う。



姉ちゃんは渚くんと出会うまでかなり奔放だったと思う。



歴代彼氏も何人もいたし。



だから親からの信頼が全くなく、何かあったらダメだからと言って彼氏との旅行は許されていなかった。



多分友達と旅行行くって嘘ついて彼氏と旅行行ったりもしてたと思うけど。



俺は多分大丈夫でしょう。