大学での一日の講義が終わり、ヤヌアルはようやく、キャンパス内のベンチで一息付いていた。

 珈琲を片手に思い出したように、もぞもぞとマスコットを取り出す。


 改めて眺めてみると、今朝、急いで見た時よりも、汚れ方も破損の度合いも、格段にひどい有り様だった。