高嶺のぼっちはかまわれたい

学校帰り。

もちろん、今日の下校も1人ぼっち。


周りを見ると、友達と楽しそうに下校する清凛生たちが。


「このあとカラオケ行こーぜ!」

「いいねー!」


…友達とカラオケ。


「駅前のカフェ、新作フラペチーノが出たらしいよ!」

「それ気になってたやつー!今から行こ!」


…友達とカフェ。


わたしも行ってみたい。

放課後に、友達とカラオケやカフェ…!


わたしは、瞬時にブレザーのポケットからボールペンと手のひらサイズのメモ帳を取り出す。

青色のメモ帳の表紙には、マジックペンで【青春ノート】と書いてある。


【・友達とカラオケ】
【・友達とカフェ】


と、わたしはメモ帳に書き込んだ。


これは、『青春ノート』という名のわたしの大事なメモ帳。

わたしが高校生活でしてみたい憧れの青春シチュエーションを思いつくたびに忘れないように書き込んでいる。


いつかは友達とこんなふうにしてみたいと思いつつ、この1年ひとつも実行できていない…。