「百奈ちゃん超かわい。」
「え?てか、鹿助、お前百奈ちゃんと付き合ってんの?」
盾狼《たてがみ》君、鹿助《ろくすけ》って名前なの?似合わないけどウける。
私が彼らに向けて、女子禁制男子有効スマイルをお見舞いする。
脚は内股気味のハの字に、ストールをつかみ、埋もれた唇をこっそり覗かせて。斜め25度に傾けた顔で上目遣い。
しぱしぱ。可愛い私の出来上がり。
「おはようございまーす。鹿助君とお付き合いしてる百奈です!鹿助君のお友達に会えて、百奈嬉しい〜。」
はい、今の私、主演女優賞もの。
どーよ?と盾狼君を見上げて、瞬間的にドヤ顔を作る。
すると盾狼君が鼻で笑って、『レッドカーペット賞もん』と小さく囁いた。流れるカーペットで使い捨てする気かコノヤロウ。
「うっわ、百奈ちゃんと話せるなんて信じられん!」
「はあ?鹿助、彼女いんのに尚美《なおみ》に手ぇ出したってわけか?」
グリーンメン寺道が、今にも盾狼君につかみかかりそうな勢いで迫る。
「出したっていっても最後までやってないし、」
「思いっきり手ぇ出してんじゃねえか!」
「でも誘ってきたのは尚美からだよ?」
「尚美がんなことするわけねえだろが!!てか気安く呼び捨てすんなよ!」
盾狼君が、私の手をクイクイっと引いて合図をする。
いやいやいや、可憐な乙女が4人組相手にどう立ち迎えっての?この私を平気でチンピラの巣に放り込むなんてどんな神経のドSよ?
はあ。やってやろうじゃんか。



