…正直、ルトリアに言いたいことは山のようにある。
文字に起こしたら、この小さいメモ用紙、百枚くらい軽く使えるくらいには。
俺が書きたいことと言ったら、例えば、
「お前の人生、まだ終わった訳じゃないだろ」とか。
「俺はお前の味方だから、もっと頼って良いんだ」とか。
「自分の体調にだけ気を遣って、今はゆっくり休んでくれ」とか。
そんな感じの、慰めと励ましが七割。
残りの三割は、説教だ。
「勝手に死のうとしやがって、この馬鹿」とか。
「いい加減面会拒否やめろ。引きこもりかこの馬鹿」とか。
「お前、ちゃんと飯食えよ。残すんじゃねぇ、この馬鹿」とか。
とにかく、「この馬鹿!」って言いたい。
こちとら、胃に穴が開くほど心配させられてるんだからな。
「この馬鹿!」くらいは許されてしかるべきだろう。
等々、ルトリアに言いたいことを考えていたら、埒が明かない。
ってか、この小さいメモ用紙には、とても書ききれない。
ちっちゃい字でちまちま書いても、多分ルトリアは読めないだろう。
あいつの今の精神状態で…読める文字の限度と言ったら…。
…精々、20文字程度…か?
20文字でも、読んでくれるかどうかは微妙なところだ。
文章にしたら…まぁ、一行くらいだよな。
この一行の中に、慰めと、励ましと、それから説教を込めなければならないとは。
いかな文豪でも不可能だろう。そんなことは。
少なくとも、俺には無理だ。
自分の文章力のなさが恨めしい。
いや、20文字程度じゃ、最早文章力云々の問題ではない。
出来るだけ簡潔に…読みやすい大きな字で。
ルトリアが元気を出してくれるような…そんな手紙を書かなくては。
…何て書こうかな。
「…うーん…」
俺は頭を悩ませた。あの馬鹿、俺がこんなに悩んでることも知らないんだろう。
良い気なもんだ、全く。絶対出てきてもらうからな。
一晩中、明け方になるまでずっと考え続け。
書いては捨て、書いては捨てを繰り返し。
足元に、くしゃくしゃに丸められたメモ用紙が散乱していた。
そして、夜が明ける頃。
俺はようやく、ルトリアへの最初の手紙を書き上げた。
…色々悩んだけど、やっぱり一番伝えたいことを、簡単な言葉で書いた。
もしかしたら、エインリー先生にボツを食らうかもしれないけど。
まずは、これを持っていくことにしよう。
文字に起こしたら、この小さいメモ用紙、百枚くらい軽く使えるくらいには。
俺が書きたいことと言ったら、例えば、
「お前の人生、まだ終わった訳じゃないだろ」とか。
「俺はお前の味方だから、もっと頼って良いんだ」とか。
「自分の体調にだけ気を遣って、今はゆっくり休んでくれ」とか。
そんな感じの、慰めと励ましが七割。
残りの三割は、説教だ。
「勝手に死のうとしやがって、この馬鹿」とか。
「いい加減面会拒否やめろ。引きこもりかこの馬鹿」とか。
「お前、ちゃんと飯食えよ。残すんじゃねぇ、この馬鹿」とか。
とにかく、「この馬鹿!」って言いたい。
こちとら、胃に穴が開くほど心配させられてるんだからな。
「この馬鹿!」くらいは許されてしかるべきだろう。
等々、ルトリアに言いたいことを考えていたら、埒が明かない。
ってか、この小さいメモ用紙には、とても書ききれない。
ちっちゃい字でちまちま書いても、多分ルトリアは読めないだろう。
あいつの今の精神状態で…読める文字の限度と言ったら…。
…精々、20文字程度…か?
20文字でも、読んでくれるかどうかは微妙なところだ。
文章にしたら…まぁ、一行くらいだよな。
この一行の中に、慰めと、励ましと、それから説教を込めなければならないとは。
いかな文豪でも不可能だろう。そんなことは。
少なくとも、俺には無理だ。
自分の文章力のなさが恨めしい。
いや、20文字程度じゃ、最早文章力云々の問題ではない。
出来るだけ簡潔に…読みやすい大きな字で。
ルトリアが元気を出してくれるような…そんな手紙を書かなくては。
…何て書こうかな。
「…うーん…」
俺は頭を悩ませた。あの馬鹿、俺がこんなに悩んでることも知らないんだろう。
良い気なもんだ、全く。絶対出てきてもらうからな。
一晩中、明け方になるまでずっと考え続け。
書いては捨て、書いては捨てを繰り返し。
足元に、くしゃくしゃに丸められたメモ用紙が散乱していた。
そして、夜が明ける頃。
俺はようやく、ルトリアへの最初の手紙を書き上げた。
…色々悩んだけど、やっぱり一番伝えたいことを、簡単な言葉で書いた。
もしかしたら、エインリー先生にボツを食らうかもしれないけど。
まずは、これを持っていくことにしよう。


