君を思うと、胸がぎゅっと痛くて

「陽菜、今日は放課後は?」
「超空いてる! 何にする? カフェ? カラオケ? プリ?」

陽菜のテンションは最高潮である。
私もそんな陽菜を見てると自然と笑顔を貰える。

「お前ら。まず病院行け」

そこに水を差す奏の一声。

「嫌に決まってるでしょうが!」
「でも多分、今日の放課後はる兄迎え来ちゃうよ?」

私はその旨が書かれたスマホの画面を陽菜に見せた。

「じゃあ、ハーゲンダッツ。奢って。奏会長」
「え、なんで俺!?」
「会長だし、偉そうだし。暇そうだし」
「暇じゃねぇよ」
「さゆは来てくれるよね?」
「うん、仕方ないなぁ。奏、私は苺味がいいな」
「さゆも甘いものは念の為にアキ先生のOKが出てからにしろ」

陽菜と一緒に、はぁーとため息が漏れる。
でもダッツを奢ってもらえるなら我慢しよ、とこっそり耳打ちする。

「じゃあ、会長また放課後ね」
「あぁ」
「奏、悪いけどよろしくね。陽菜と夏休み、ちゃんと遊びたいからさ。ちゃんと陽菜が大丈夫だって知りたい」
「そうだな。ダッツくらいなら奢ってやるよ。うさちゃんのりんごジュースも」
「それはもういいって!」

私が恥ずかしそうに笑うと、ポンポンと頭を撫でてくれた。