君を思うと、胸がぎゅっと痛くて

「俺は今日仕事だから、奏と遊んでこい」
「ていうか、学校です」
「そうだったな。あ、陽菜も診察来てないって佳史が嘆いてたぞ」
「そうなの。じゃあ、今日にでもはる兄にチクッとくよ」
「よろしく」

そう言うと、無理はすんなよと釘をさしてアキは部屋を出ていった。

コンコンと扉が叩かれて、返事をすると入れ替わりで奏が入ってくる。もう制服に着替えてる。

「さゆ、今日は学校行けそう?」
「うん大丈夫。陽菜に言いたいこともあるし。奏は今日も生徒会?」
「ううん。今日は何も無い。今日は陽菜と遊ぶ?」
「いいねそれ。聞いてみるよ」

きっと梅雨明けしたから、陽菜は遊びたくてうずうずしてるはずだ。
久しぶりに二人で楽しめるとこ(奏はついで)行きたいな!
カラオケもいいし、プリも撮りたいし。

「じゃあ着替えて下行くね」
「分かった。もう朝食も出来てるから、俺先に下で食ってるわ」
「おっけー!」
「さゆもテンションバカ高いことあるんだな」
「は? 私のことなんだと思ってんのよ」
「いや、最近はムスッとしてること多かったからさ」

それはあなたのせいです、とは言えない。

「なんか色々吹っ切れたかな」
「そう、ならよかった。でもほんとに辛い時は俺に1番に言えよな。約束だ」
「わかったよぉ! 元気もりもりだって」
「はっ、変なの」

そう言って奏は部屋を出ていった。
涙が一筋、また流れちゃう。
ダメだ、最近奏のことを思うと涙を我慢することができない。
ただ生きていてくれるだけでいいのに。
奇跡って、起きないのかな。